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東方二次小説の続き~ 

どもども~、天則で優曇華に目覚めた錬です。

なんか去年末あたりに少しやってた東方の小説を久々に思い出したので、ちょこちょこ書いてました。
っていうか、これ見てる人いるのか・・・?

まぁこのブログ自体が半分自己満足だから、仕方ないよね~


闇の中で水の打つ音だけがこだまする。
そのどこまでも続くかのような夜の大海原は海と空の境が薄れ、全てを闇に包み込む。
その狭間で煌々とした光が波に浮かんでいた。


本来なら軍の物資等の輸送に使う大型の貨物船。
木造ではあるが、貨物船に頑丈である必要性は無く、内包できる積荷が多いほど良いとされた物だ。
しかし時代と共に西洋から入ってきた金属性の船舶が使われるようになり、木造の軍船はお払い箱となった。
戦時の終わった現在は、退役した元軍人の船長が、船の大きさに合うような帆を取り付け、都に出稼ぎに行っていた商人や、裕福な旅行客を乗せて目的地、島根へ向けてひたすらに静かな海を進んでいた。

船内は夜であることも含め、極めて静かだったが、彼女だけは違った。


「見て見て!」

木造の廊下が軋む音が激しく近づいてきた。
その少女は勢いよく部屋に入ってくると、くるりと回って喜びの表情を向ける。
船窓から夜の海を眺めていた私は喜びが溢れている娘の方を向いた。

「どうしたんだそれ」
「船長さんがね、私にくれたの!どう?似合ってるでしょ!」

両手を広げて笑顔でアピールする。彼女の着ている水夫の服は眩しいほど白く、赤いリボンが揺れていた。
私が娘に「似合っているよ」と言うと、満足そうにして続けた。

「でしょ?私、大きくなったら船を操縦してみたいな!この船みたいなでっかいやつの船長さんになりたい!」

「そうか、そりゃいいな。―――しかし、あまり勝手に歩き回って人様に迷惑をかけるんじゃないぞ。もう夜だから、ほどほどにしておきなさい」

「はぁ~い」

私の言葉は当の本人の耳にはすこしも入っていないようで、私の答えに満足するや否や、きびすを返してまた甲板の方へ駆けていった。

「まったく、仕方がないな」

ぼやきながら椅子から立ち上がる。ちょうどあまり寝付けそうになかったので、ひとまずその船長に礼を言いに行くことにした。
古びた上着をはおり、廊下に出ると寒さに反して黄色いランプの光が木々に反射し、暖かい雰囲気をかもし出している。
静かに廊下を軋ませながら、私は操舵室に向かった。



夜の海風は体を貫けるように吹きこみ、髪を荒らして去っていく。
帽子が飛ばされないように手で押さえながら、暗く沈む海を眺めた。

あまりの広大さと闇の深さに引き込まれるような感覚に襲われるが、そこには何か魅力を感じた。

それは遠方への憧れか。

はたまた未知の世界への知欲か。

彼女、村紗水蜜はどこまでも広がる果てしない海に全ての感情を浮かべた。
言葉では説明できない、決して沈むことのない感情を。


彼女はその闇の中に異変を感じた。

それは決して大きな変化ではなかったのだが―――



「いいんですか?あんなものいただいてしまって」

船室に入ったその人間は申し訳なさそうに言った。
対する船の船長と思わしき男は口ひげを生やし、葉巻を口にくわえた、いかにもと言わんばかりの容貌だった。

「いやぁ、本来なら新米の水兵に渡すためにあった予備の服だったんだが、戦争も終わったしな・・・幾らでも余ってるさ」

船長は自分の使い古した帽子を取り、頭をひと撫でしてかぶりなおす。
葉巻の香りが部屋中に漂っていて、若干白くにごった空間に船長の低い声がこだまする。

「あの元気な子はあんたの娘さんかい?」

「えぇ。元気すぎてどこへでも勝手に行って困っていますよ。今日も勝手に操舵室に入ってしまって・・・」

「いやぁ、結構結構。あれくらいの盛りが一番いい」

「娘は昔から海が大好きでしてね。大きくなったら船長さんになるってそればっかりでね、本当に」

「ほぉ、いいじゃぁないか。無邪気で夢がある。私のように兵隊ばかり相手にしているとな、人間と話をしている気分にはまるでなれんよ」

どこか遠くを見ているような、住んでいる場所が違うような、そんな感じを植えつける。

「これからは平和な時代だ。彼女のような―――」

船長がそう言って二本目の葉巻に手を出そうとしたその瞬間、それはあまりに唐突に。


爆音。


船内がはじけ飛ばんばかりの揺れと轟音に襲われる。
立っていられない揺れの中、男は必死に操舵室から這い出るが、その目には暗い海には明るすぎる火柱と、真っ二つに割れた船体が無残にも映し出された。

男は絶望した。
あまりに予期せぬ事態に。
船を飲み込む暗い海の底に。
娘の安否に。




彼女が気づいたのは海に浮かぶ機雷だった。
戦争のさなかに残った機雷との接触。本来なら砲を積んだ船に当たるハズだったのだが。


衝突の瞬間、彼女は船尾から投げ出された。


深く暗い海の底が、それこそ自分は何か大きな闇に吸い込まれていくように近づいてくる。
海に落ちるさなか、彼女もまた、思った。

あぁ、私死んじゃうんだ。・・・・・いやだ、死にたくない。私は船長さんになるんだ。船長さんになって、もっと、もっとこの広い海を生きたいよ。
なんで?どうして?・・・・いやだ、いやだ、いやだ・・・・・

彼女が最後に掴んだのは、大きく冷たい鉄の碇だった。
彼女は助かろうとした。この世から切り離される事よりも、彼女の大好きな船から切り離されるという事から。

その碇は、船と彼女を繋ぎとめ―――






今、彼女の周りに船はない。通りすがった船はすべて彼女が沈めてしまう。

広がる水平線を眺める彼女に、ふと、声がかかる。

「大変だ、ムラサ!」

ムラサと同じくこの辺の海に住む妖怪の一人だった。もっとも、ムラサはこの海に縛られ、遠くへ行く事の出来ないのに対して、彼女は自由に行動できるのだが。
彼女は慌てた顔でムラサにむかう。

「どうしたの?」

「国一番の僧侶が、とうとうあんたを退治しにくるって、島の妖怪たちが言ってた!」

ムラサは考える。
今まで通りすがった船は数十隻を超える。その中には民間船や漁船、中には主砲を何門も積んだ軍艦もあった。
それからすると私を退治しに来るのは当然だ、以前一度そういう事があったが、まがい物の名だけ僧侶だったのを考えると、国一番というのもなんだが疑わしい。

「あまり力のない子が近づかないようにしといてね、万が一があると危ないから」

「ム、ムラサは?」

「大丈夫さ、きっと前みたいにやっつけ仕事が来るだけだ。まとめて沈めてやるよ。お前もそろそろいきな」

この海の妖怪たちとはもう長い。海の呪縛に縛られて離れられない私の為に、わざわざ来てくれる妖怪や幽霊も多かった。
親しい子達とは宴会も開いたりもした。みんなどこかに心の闇を持っている者同士、気が合うのだ。
私はこの子達との生活も次第に捨てがたいものとなった。今の私の唯一の安らぎなのだから。

だが、もし本当に私が退治されてしまったら、私はどうなるのだろうか。この子たちとも会えなくなるのだろうか。船も失った私から、親しくなった妖怪たちも奪われてしまうのか。
不安がよぎる。しかし私は自分の力に疑いなんて無かった。

私はこの大海原にただ一人にして最強の船幽霊、国一番の僧侶を倒せば、妖怪としての格も上がる。
もしかしたら、この海の呪縛から逃れ、もっと多くの船を沈められるようになるかもしれない、できるよ、私ならきっと!

さぁ、来い!すべての船は私の怒りと共に海へ沈め!
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category: 東方小説

thread: 東方プロジェクト

janre: ゲーム

Posted on 2010/03/06 Sat. 19:20  edit  |  tb: 0   cm: 2  

コメント

No title

文才なさすぎてカタコトの日本語だけで生きてきた僕は、
これだけの文章書けるのは尊敬します、、
ブログの記事2、3行書こうと思うだけで挫けるもん、、(´・ω・`)

湯茶 #I3ynuaOo | URL
2010/03/09 03:30 * edit *

Re

>>湯茶さん

実際、自分は誰かと話すときかみかみで大変ですw
そういう意味では私もカタコトですよー

文章はいろんな国語の教科書とか読むだけでも結構書けるようになると思いますよ。まぁ学生の話ですがw

お互い頑張ってブログ更新しましょー!

錬 #qmAZM4m. | URL
2010/03/12 23:56 * edit *

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